遺伝子

遺伝子研究の発展のおかげで、今まで体質や気質のせいだと思われていたことが実は遺伝子に原因があったと次々にわかってきている。

私が初めて遺伝子のせいだと知ったものはかれこれ20年ほど前になるが、「びっくり遺伝子」というものだ。

ほんのちょっとしたことで飛び上がるほどびっくりする人がいる。私の母がそうだ。

普通なら「あっ」という感じで済むのに、母は「わあっ‼」と言って飛び上がる。

母が気づかないうちに私が部屋に入り声をかけると「わあっ‼」と言って驚いた後「あ~びっくりした~」と寿命が何年も縮んだように言って胸を撫で下ろす。

それはびっくり遺伝子を持っている人の特徴だとテレビ番組で言っていたのでへえ‼と驚愕したのをおぼえている。

 

最近までに、癌遺伝子や肥満遺伝子などいろいろな遺伝子が見つかっているらしいが

将来は様々な遺伝子が見つかって、人間を遺伝子で選別するようになるのではと思う。

特に会社の採用試験では予め遺伝子でふるい分けして会社にとって有用な人材を厳選すると思う。

 

先日、娘と話していて面白いなぁと思ったことがあった。

娘は子ども時代から本を読むのが苦手で嫌いで私は本好きになってほしかったのに残念だった。

よく、本好きに育てるにはまず親が本を読む姿を見せることだと言われるが、私は自他共に認める本好きでテレビは殆ど見ないで本を読む人間だった。いつも一緒にいた娘の祖母(私の母)も、推理小説が好きでよく本を読んでいたし娘の周りは本を読む人間ばかりだった。それでも娘は本好きにはならなかった。

そんな娘が今になって言うには、本を読むのに人一倍時間がかかったから読むのが嫌だった。何故時間がかかったかというと、感動する場面やハッとする場面などインパクトのあるところにくるともう一度少し戻って読んでまたその場面にきて感動を味わうらしい。

何度もそのインパクトのある場面を少し戻っては読んでワクワクしていたというのだ。

そして本というのはなかなかそのインパクトのあるところまでたどりつけない。状況説明や経緯や登場人物の紹介などで前半は面白くない文章が延々と続くことが多い。

だから娘は本が嫌いだったと言った。

 

娘は録画したドラマや映画のDVD なども繰り返し何度も観る。中学生の頃にディズニーの「アラジン」を買ってやったら日本語のセリフも英語のセリフも殆ど暗記してしまうほど繰り返し観ていて呆れてしまった。

 

私は娘の話を聞いて、そんな読み方をしていたことを初めて知った。そしてそれも遺伝子のせいではないかとふと思った。

名前をつけるなら「繰り返し大好き遺伝子」とか「再現大好き遺伝子」とか。

 

でも幼児は繰り返しが大好きと言われるから幼児性が抜けないのか?

「もう1回」「もう1回」とせがむ幼児が繰り返しが大好きなのと同じなのだろうか?

 

遺伝子研究が私の生きている間にもっともっと発展して遺伝子解明が進むことを願います。